社長ブログ

大阪石材株式会社 伯井です。

2010年04月20日

心温計ってご存知ですか?

病院に行くといつも不満に思うことがある。
血液検査に始まり、血圧、体温計、レントゲン、心電図とまわる。

身体のチェックはあるが、心のチェックの心温計の検査がない。
仏教学者中村元先生は友人に『仏教とは一言でどういうことや』と質問され、
『温もり』とお答えになったそうだ。
だからこそ、一番大事なのは心温計に違いないが、病院にはその検査はない。

さて、1330か1331年ごろに書かれたという吉田兼好の『徒然草』は、
日本人の心温計になるのではないかとここに紹介する。

その冒頭は『つれづれなるままに、日ぐらし、硯にむかいて、心にうつりゆくよしなし事を、
そこはかとなく書きつくれば、あやしゅうこそものぐるほしけれ』

つれづれ=ボーっとする、止観する。
このメインテーマは無常観だ。

無常観には二つある。
1〕詠嘆的無常観=生活、社交、学問、技能に疲れて感じる虚しい感情のこと。
2〕実相的無常観=原理的に変化し、運動し何事もとまらない事実と受け入れる。

変化しめまぐるしく動く世の中、
無常の中を常を求め生きることこそ楽しいと言うのだろう。

欧米生まれの経済活動(資本主義社会)の中で生きるには、
お金のお金に押しつぶされないで確固とした心温計をもつことが不可欠だ。


経済と道に悩むのが人間の姿だと闊歩する二宮尊徳翁の言葉が胸に刺さる。
『経済のない道徳はたわ言、道徳のない経済は罪悪』

詩人の吉野弘さんは、
『他人を励ますのは気楽です、自分を励ますのが大変なんです』と語る。
実は自分を励ます灯火で、他人の心身にともせた時『温もり』が生まれ、
自分に心温計ができ、病院に不満を言うことはなくなるのだろう。

志を持って、世の中に役立つ利他行を積み重ねる過程に磨かれ練りあがるに違いない。
意味のないことをやり続けるから意味ができてくるのだ。

大人になると合理性や意味ばかり考えるだけで行動しないようになるようだ。
自分を励まし行動することが一番であることは間違いない。

皆さんは如何考えられますか?